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2007/09/14(金) 大の月と小の月
今回は、頭の体操の問題から始めます。
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│「次の□に大・小どちらかの字を入れてください。」 │
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│ 大 小 大 小 大 小 大 □ 小 大 小 大 │
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答えは[頭の体操]問題5に掲載しています。
さて、現代の暦(グレゴリウス暦)では、大の月は31日、小の月は30
日(2月は28日または29日)ですね。これは1年=365日を12ヶ月
で割ると、365÷12=30・・・余り5となることからもわかるように、
1ヶ月の日数を30日とすると5日余ってしまい、それを埋めるために工夫
した結果によるものです。
歴史をさかのぼると、暦はさまざまな変遷を遂げていることがわかります。
1年のうち11ヶ月間は1ヶ月を30日として、最後の1ヶ月だけを35日
(閏年は36日)とする古代エジプト暦、大の月と小の月を6ヶ月ずつ交互
に並べ、最後の月の日数を29日(閏年は30日)とするユリウス暦などが
ありました。
大の月が1・3・5・7・8・10・12月の7つ、小の月が2・4・6・
9・11月の5つとなったのは、地理的・季節的な要因や、権力の誇示など、
いくつかの理由によるようです。並びが不規則のために、冒頭に紹介した問
題がつくられたのです。
古代ローマでは、春とともに1年が始まると考えられたことから、年始は
3月とされていたといわれています。そのために、ユリウス暦では3月から
大の月と小の月を交互に並べ、閏年における調整を2月に行ったのです。そ
うすると、8月は小の月となるのですが、ユリウス・カエサル(シーザー)
の後継者アウグストゥスによる改暦により、現在のように不規則な並びにな
ったといわれています。
それは、8月を皇帝アウグストゥス自身の名とし、元々は小の月だった月
を大の月とすることによる権力の誇示だったのでしょうか。この改暦により、
私たちは不規則な並びの暦で暮らさなくてはならなくなりました。
私が小学生の頃は、「二・四・六・九・士、小の月(西向く士(サムライ)
小の月)」などと、語呂合わせで覚えたものです。(十一を縦書きにすると、
「士」に見えるため。)しかし、便利になり過ぎた時代のせいでしょうか、
最近は何月が大の月で、何月が小の月かわからないという子ども達が増えて
いるような気がします。少しくらい不便な方が、覚える力がつくのかもしれ
ません。
安木屋ビジネス専門学校
副校長 安仁屋 雅秀