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2007/08/24(金) リスク処理技術

 病気の治療には、対症療法と原因療法があります。対症療法は、発熱があ
った場合に解熱剤を投与して症状を和らげるなどの治療です。原因療法は、
症状の発生原因が細菌によるものであった場合、抗生剤を投与して原因を取
り除く治療です。

 リスク処理とは、リスクを病気に例えたときの治療に相当するものです。
その方法には、リスクコントロールとリスクファイナシングの二つがありま
す。その方法をうまく組み合わせることによって、リスクヘッジ(危険に対
する準備)を行います。

1.リスクコントロール
 損害の発生を事前に防止したり、発生した損害を最小限にくい止めたりす
る予防策のことで、次の5つの技術があります。
(1)回避………危険を完全に消滅すること。
(2)損失制御…損失の発生頻度や深刻度を軽減させること。
(3)結合………リスクにさらされている対象を統合して集中管理すること。
(4)分離………危険単位を細分化し、一度の損失を軽減すること。
(5)移転………危険を他人に移転すること。

2.リスクファイナシング
 損害が発生した場合に備えた資金対策のことで、次の2つがあります。
(1)保有………危険による財務的な損失を自ら負担すること。
(2)移転………保険などにより財務的な損失を移転すること。

 病気を治療する場合も、対症療法と原因療法を組み合わせて治療するのと
同様に、リスク処理技術の選択においても、その発生頻度や予想損失規模を
考えて望ましい方法を組み合わせて選ぶことになります。

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安木屋ビジネス専門学校
副校長 安仁屋 雅秀